北朝鮮の電気機関車

1435mm

日本製

名称車軸配置・製造概要
鮮鉄デロイ
チョンギハ(전기하)
1C-C1・日本(東芝・三菱)朝鮮総督府鉄道(鮮鉄)
が京元線(現在の朝鮮鉄道省平元線、KORAIL京元線)ので電化山岳区間(福渓~高山間)向けに開発・製造されたF級電気機関車。京元線に続き、京慶線(中央線)電化用として終戦後も引き続き製造された。戦後に製造された車両は韓国に納入されたが、朝鮮戦争時に韓国側の電気機関車は1両を除いて北朝鮮側に持ち去られた。北朝鮮側の車両は1両(전기3号機)が現存が確認されており、高原駅構内の機関区で目撃されている。韓国側に現存車両はない。
鮮鉄デロニ
チョンギドゥ(전기두)
1C-C1・日本(日立)鮮鉄デロイ形と同じく京元線の電化区間向けに開発・製造された準同型機。デロイ形が東芝、三菱製なのに対し、当形式は日立で製造された。
チョンギノ(전기너)形B-B・日本(日立?)平壌の鉄道省革命事績館に保存されている凸型4軸電気機関車。戦前に満州の本渓湖電鉄向けに製造された75トン機だと推定されるが、北朝鮮へ移動した時期や経緯は全く不明。

外国製

名称車軸配置・製造概要
Škoda 22E2B-B・チェコスロバキアチェコスロバキアのスコダで製造された4軸機。今世紀に入っても少なくとも2両の現存が確認されている。
IV-КП(IV-KP)B-B・ソ連ソ連の凸型4軸機。2018年時点で少なくとも1両(電気63号機)の存在が確認されている。

国産

 北朝鮮の国産電気機関車は、もっぱら「プルクンギ(붉은기)」の名を冠するナンバーが割り当てられている。プルクンギは「赤い旗」を意味する朝鮮語で、もっぱら「赤旗」と訳される。北朝鮮初の国産化は「赤旗1号」として知られるプルクンギ5000番代から始まった。

 比較的大型の電気機関車の車番は「붉은기5437」のように「붉은기 + 4桁の数字」で書き表される。厳密な区分は不明だが、2000番代が4動軸のエンドキャブ機(あるいはロードスイッチャー?)、4000番代が4動軸の箱型機、5000番代が6動軸機、6000番代が8動軸機(あるいは2車体連結機?)というように区部されていると推測される。ただし、「붉은기」の表記がなく数字だけのもの、3桁以下のもの、「붉은기900xx」や「붉은기900-x」のような例外も数多くあり、謎は多い。

名称車軸配置概要
プルクンギ(赤旗)2000番代B-Bエンドキャブ機。
プルクンギ(赤旗)4000番代ⅠB-B
プルクンギ(赤旗)4000番代ⅡB-BCSE26-21に似た角ばった車体を持つ。
プルクンギ(赤旗)4000番代ⅢB-Bしばしば先軍赤旗1号の量産形として紹介される車両。
プルクンギ(赤旗)5000番代ⅠC-C「赤旗1号」として知られるF級機。北朝鮮でもっとも著名な機関車として知られる。
プルクンギ(赤旗)5000番代ⅡC-C
プルクンギ(赤旗)5000番代ⅢB-B-BCSE26-21に似た角ばった車体を持つ。「プルクンギ5000-8/1型」とも。
プルクンギ(赤旗)6000番代ⅠB-B+B-B赤旗5000番代Ⅱに似た全面形状のH級機。
プルクンギ(赤旗)6000番代ⅡB-B+B-BCSE26-21に似た角ばった車体を持つH級機。赤旗2.16とも。「赤旗7」と紹介されることもあるが、実際に赤旗7と記された車両は未確認。
ソングンプルクンギ(先軍赤旗)1号B-B2010年代に登場した新型機関車。国旗を意識した赤と青色の独自の塗装をまとっている。
不明C-C新型箱形機。「交流」機関車と紹介されたが、実際はVVVFインバータ制御を指しているとみられる。水色と白の独自塗装。
不明B-B凸形入換機
プルグンギ(赤旗)900B-B機関車に似た形態でありながら、客室に相当する設備を有する。前頭部のデザインは複数存在する。車番は「붉은기900-x」という独自の車番が振られている。

内燃機関車からの改造車

名称種車車軸配置・種車製造元概要
カンヘングン(強行軍)M62系・金星形C-C・ソ連、北朝鮮ソ連のM62系電気式ディーゼル機関車を電気機関車化改造したもの。金星形にも同様の改造を施したものが存在するが、こちらの正式名称は不明。
不明ТГМ3Б(TGM3B)C-C・ソ連ソ連製セミセンターキャブ機のTGM3B形を電気機関車化したもの。詳細は不明だが、中朝国境沿いから撮影された写真により、存在が確認された。
不明(凸型入換機)入換用4軸機B-B・北朝鮮北朝鮮製の凸型4軸機を電気機関車化したもの。

762mm

名称車軸配置・形態概要
ジョンイルボン(正日峰)B-B・箱型車体
チャリョグケンセン(自力更生)ⅠB-B・箱型車体
チャリョグケンセン(自力更生)ⅡB-B・箱型車体
ランリム(狼林)B-B・箱型車体

狭軌(軌間不明)

名称概要
SR電動機を使用した炭鉱電車2016年の第7回党大会に伴う展示会にて実物が公開展示された。軌間は推定600mm。
電気化大安電機工場が製造した「電気化58号」なる車両が1958年に公表されている。